ストレートネック(スマホ首)
近年急増しているストレートネック(スマホ首)
近年特に患者数が急増している疾患がストレートネック(スマホ首)です。
パソコンやスマートフォンの長時間使用によって進行しやすい病気です。うつむいた姿勢を長時間にわたって強いられることで徐々に首が直線化してゆきます。
首は本来、首はCの字に曲がって少し前弯しており、その独特の形状によってクッションの役割を果たしながら重い頭部を支えています。その必要な湾曲がなくなってしまうと、一点に集中して重い頭部を支える形となってしまいます。
人間の頭は5-6kgぐらいでボーリングの玉と同じくらいです。
例えるならば棒の上にボーリングの球を直接乗せているようなイメージです。次第に首だけでは頭の重みに耐えられなくなり、肩まわりをはじめ体全体に無理な負担がかかるようになり慢性的な肩凝りとなって頭痛を引き起こすようになります。
そのため頭痛が頻繁に起きやすくなったり、首の筋肉が異常に緊張することでひどい肩凝りに悩まされたり、神経が圧迫されて手のしびれが起きるなどさまざまなトラブルへとつながってゆきます。
最近では10代からの若い患者さんからのご相談も増えており、これからも患者数が激増していく現代病として懸念されています。
ストレートネック(スマホ首)は頭痛の原因となります
ストレートネック(スマホ首)は緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)と呼ばれる頭痛を引き起こします。
この頭痛は簡単に言ってしまうと肩こりや首のこりから起こる頭痛です。
スマホをよく使う若い世代や、パソコンをよく使う働き盛りの世代にも多いです。
職業によってもストレートネック(スマホ首)から緊張型頭痛になることもあります。
保育士さん、美容師さん、歯科衛生士さん、現場の職人さん、車の整備工さんなどの下をずっと向いたり、首を様々な方向に向けたりする仕事をする方々からすると職業病ともいえます。
頚椎レントゲン(左:正常、右:ストレートネック)
日本テレビ「DayDay.」にスタジオ生出演し、ストレートネック(スマホ首)について解説しました
ストレートネックの原因
ストレートネックの原因となる主な要因
これがストレートネックがスマホ首とも言われる所以です。
診断と治療法について
適度な運動やストレッチ、正しい姿勢を意識するなどして自然に肩の凝りを改善するための取り組みを行うことが大切です。それに加えて肩の筋肉の緊張をほぐすための専用薬や痛み止めを適宜併用しながら頭痛の緩和を図ります。ストレートネックの場合には頚部の神経が圧迫されている可能性も考えられるため、その有無を確認するため頚椎レントゲンやMRIが必要となります。
当院では理学療法士と作業療法士によるリハビリにて頚椎のストレッチを行っています。これはストレートネック(スマホ首)の根本的な治療です。
リハビリブログ:ストレートネック(スマホ首)のリハビリでつらい症状を改善
ストレートネックを放置すると、首や肩の痛みだけでなく、頭痛、めまい、吐き気、自律神経の乱れ、腕や手の痺れ、ヘルニア、最悪の場合、脳梗塞や脳出血につながる危険性があります。早期の改善が重要です。
リハビリによりストレートネック(スマホ首)が正常に改善した例もあります。高齢者でなく若齢者にも効果があります。
リハビリご希望の方は医師にご相談ください。