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循環器疾患

心臓にまつわる病気の多くは生活習慣病などの全身疾患と深い関りがあります

人が生きるために必要となる栄養分や酸素を全身へ送り届ける重要な役割を果たしているのが心臓です。循環器疾患とはこの心臓の機能そのものに関する異常や、全身の血液循環にまつわる障害がみられる病気を言います。生活習慣病などの全身疾患と深い関係性が認められるケースが多く、早期の異常発見が何よりも望まれます。当院では循環器疾患においても各種検査機器を取り揃え、異常の早期発見に努めております。

体中に血液を運ぶポンプの役割を担う心臓

心臓は全身から血液を集め、また全身へと勢いよく送り出す「ポンプ」の役目を担っています。大きさは握りこぶしほどで、24時間ひと時も休むことなく拡張と収縮を繰り返しながら栄養分や酸素を取り込んだ血液を体のすみずみまで行きわたらせています。もしもこの心臓が止まってしまうと、人は数秒で意識を失い、5分ほどで脳も死んでしまうこととなります。それほど心臓の動きは私たちの生命と直結しています。さらにはいかに高い栄養分と豊富な酸素を保った状態で全身に血液を送り届けられているかといった点も、心臓機能の評価においては重要なポイントとなります。

心臓の構造

心臓内は上下左右4つの部屋に分かれています。上部は「心房」と呼ばれ、右の部屋を「右心房」、左の部屋を「左心房」と呼んでいます。下部は「心室」と呼ばれる部分にあたり、同様に「右心室」「左心室」と呼ばれる部屋に分かれています。全身から集めた血液を心房で受け取り、心室を通じて再度全身へと送り出します。心房と心室の間には逆流を防ぐ「弁」があり、血液は一方通行で流れています。

右心房

全身で使われた血液がまず最初に戻ってくる場所となります。

右心室

肺に向けて血液を送り出す部分となります。肺の中では血中の二酸化炭素が取り除かれ、代わりに新鮮な酸素を取り込む作業が行われています。

左心房

肺を通じて新鮮な酸素を取り込んだ血液が流れ込む場所となります。

左心室

全身に向けて血液を再度送り出す場所となります。心臓の4つの部屋の中でも最も力が強い部分となります。

85歳以上の死因第1位は心疾患であるという現実

日本人の死因第1位はガンです。しかし85歳以上の方にフォーカスすると、心疾患が第1位に取って代わります。それほど高齢化と心疾患は切っても切り離せない関係にあるのが現実です。かつては収縮不全(心臓を縮める力の低下)で亡くなられる患者さんが多いとされていたものの、昨今では拡張不全(心臓を開く動きが低下する状態)で亡くなられる患者さんがそれを上回ってきています。拡張不全は収縮不全よりも状態がさらに悪化したときに起きるものです。社会構造全体がますます高齢化していることが患者層にも顕著に表れているとともに、診断精度も一昔前に比べて格段に高まってきたことがわかります。健康寿命を延ばすためにも、定期的に検査機会を設けることを意識しながら、異常が見つかったならば早期に適切な治療を開始することがとても重要となります。

生活習慣病は循環器疾患においても密接に関係しています

循環器疾患は圧倒的にご高齢の患者さんが多いです。しかしながら、心臓に過度な負担を与えている原因を追究すると高血圧糖尿病、高コレステロール血症などといった生活習慣病や動脈硬化などといった問題が深く関係していることがわかります。食事の欧米化や喫煙、運動不足などといった日々の積み重ねが複雑に絡みあった末に起きる疾患であるがために、若年層の患者さんにおいても広く注意が必要です。

代表的な疾患例

心不全不整脈心臓弁膜症虚血性心疾患などがその代表格として挙げられます。

心不全

体中に血液を送るポンプの働きそのものが果たせなくなってしまう病気です。心不全には収縮機能不全と拡張機能不全の2種があります。

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不整脈

通常、脈は1対1の同じリズムで打たれています。しかしさまざまな理由からそのリズムが崩れ、脈と脈の間隔が不規則になってしまう病気が不整脈です。不整脈が起きる原因が命に関わる重大なものではないかをまずは明らかにすることが大切です。

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心臓弁膜症

心臓内には血液の逆流を防ぐために4つの弁がついています。弁の機能が低下してしまうと心臓そのものにダメージを与えるだけでなく、全身にわたってさまざまなトラブルを引き起こします。

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虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)

心臓は筋肉(心筋)でできています。この心臓に栄養と酸素を送り届けているのが冠動脈です。冠動脈が動脈硬化や血流障害を起こすと心筋は酸欠状態となり、最終的には壊死して死に至ります。

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当院ではさまざまな専門検査機器を取り揃え、異常の早期発見に努めております

当院では循環器疾患についてもさまざまな専門検査機器を取り揃え、随時詳細な分析を行っております。診断の結果、さらに高度な検査・分析が必要とされる場合には、随時提携の医療機関へご紹介させていただいております。

心臓エコ―検査

超音波によって心臓の形状や運動の様子、弁機能や血液の流れなどをリアルタイムで確認することができます。肥大や奇形などの形状的な問題だけでなく、血流の向きやスピードなども詳細に観察することができます。

胸部レントゲン

X線を用いることにより、心臓とつながる肺の様子や付随する血管の状態まで詳しく確認することができます。

心電図/ホルター心電図

心臓の筋肉から発生する微弱な電気信号を利用して、心臓が正常な動きをしているかを測定する検査です。発作性のものについては短時間の心電図では確認が難しいため、就寝中なども含めた24時間体制でモニタリングできるホルター心電図を用いて計測します。

採血

心不全虚血性心疾患等の疑いがある場合には、採血による詳細な分析を用いることがあります。特に脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)やトロポニン、クレアチニンキナーゼ(CK)などといった数値は心臓の異常を指し示す有効なデータとなります。

大切な心臓を守るために患者さん側でできること

心臓は心筋と呼ばれる筋肉の塊です。しかしながら腕や足と同じように筋トレして鍛えることができる場所ではありませんし、また、必ずしも激しい運動をしているからといって丈夫な心臓を持っているといったこともありません。むしろ今の状態を維持するために必要なことを正しく理解し、適切なケアを行うことこそが循環器においてはとても重要なことと言えます。

薬の服用など具体的な治療が必要となる方は正しく続けること

心臓を守る薬(心保護薬)の服用やリハビリが必要と判断された場合には、しっかりと治療内容を理解した上で必要な薬を正しく服用し、現在の状態をできるだけ長く維持することができるかが非常に重要な課題となります。適度な運動を取り入れる必要があると判断された場合には、その方らしく無理なく続けられることを模索することがなにより大切です。

近年では体に対する負担の少ない画期的な治療法が続々と登場してきています。
ご高齢の方においてもぜひ諦めずに一度ご相談ください。

心臓手術と言えば、一昔前までは人工心肺装置を装着するような大掛かりな開胸手術が一般的でした。中でも大動脈弁狭窄症などは死亡率も高く危険とされていましたが、近年ではTAVIと呼ばれる新しい治療法が登場し、多くの患者さんの命を救うことにつながっています。TAVIは心臓内にある弁をカテーテルを用いて人工弁に交換する手術となりますが、従来の治療法と比べると低侵襲で数時間で終了できます。開胸手術はご高齢の患者さんにおいては体にかかる負担が大きすぎるため年齢制限を設けている事情もあり、TAVIの登場は非常に大きな革命となりました。その他にも循環器内科では体に負担の少ないカテーテルを用いた治療が主流となりつつあります。ご高齢の患者さんもぜひあきらめずに治療することを目指していただきたいと思います。

当院の診療方針

まずは一次予防として、心臓そのものに異常が生じていないかを詳しく調べることこそが当院の最大の役目と考えています。検査の結果、何らかの異常が見つかった場合にも初期の段階であるならば薬の服用などによって進行を最小限に抑えることも可能です。また、当院では具体的な症状がなくても詳細な検査を受けられる体制をしっかりと整えておりますので、まずはお気軽に医師やスタッフまでご相談ください。
特にすでに生活習慣病が疑われている患者さんの場合には、心臓エコーによる定期的な確認を行うことが推奨されています。半年から1年に一度はご自身の体の健康状態を確認するために、検査機会を設けることをぜひ検討していただけたらと思います。
当院は特に脳と心臓の両サイドからの検査アプローチを得意とするクリニックです。
心臓と脳は非常に密接な関係を持っています。当院の院長は脳神経外科におけるエキスパートな医師であり、脳と心臓の両サイドからの分析を得意とするだけでなく、さまざまな全身疾患に関する豊富な知識と経験に長けております。さらに高度な検査や治療が必要と判断された場合には随時ご紹介を行っております。

早期に異常を見つけ出すためのきっかけ作りにぜひ当院をご活用ください

どんな病気においても異常の早期発見は鉄則です。しかし、こと心臓においては異常が現れれば直ちに命を脅かすような深刻な事態に至るため大変危険です。当院では循環器疾患においても各種検査機器を取り揃えており、一人でも多くの患者さんの命を救うための機会作りに貢献いたしております。何らかの異常が見つかれば随時専門の高度医療機関にご紹介させていただき、一刻も早い治療開始を目指しております。心疾患は特に症状が現れる前に治療を行うことが非常に重要となります。血液の流れの異常や不整脈などは自覚症状も乏しく、定期的な検査機会を活用しながらあらかじめご自身の今の体の状態を正しく知っておくことはとても大切なことです。末永く健康な体を維持するためにも、ぜひ積極的に検査を受けられることを意識していただきたいと思います。

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