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サイレントマニュピレーション(肩関節拘縮治療)

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肩関節拘縮(凍結肩)とは

肩関節を包んでいる袋、関節包が固くなってしまい関節の動きが著しく制限されている状態を肩関節拘縮と言います。

肩関節の炎症は経過が長くなることが多く、経過により症状が変化します。

疼痛が主体の炎症期(6週~3ヶ月)、可動域制限が著しく進む拘縮期(3~6ヵ月)、疼痛・可動域制限ともに軽快していく回復期(6ヵ月~2年)の3つの病期に分けられています。

拘縮期になり肩関節内部の炎症が長引くと、線維芽細胞や膠原繊維などの固い組織が集まって固まり、痛みや安静による不動により肩関節拘縮を生じます。

 

肩関節拘縮の治療法は、リハビリで肩の可動域を広げていくのが基本ですが、リハビリをある程度の期間行っても効果が得られない場合に、関節包破断(固まった関節包を切ること)を行うのが効果的です。

 

サイレント・マニピュレーション(関節包破断)

 肩関節拘縮/凍結肩の治療の変遷

肩関節拘縮/凍結肩の外科的治療は、以前は全身麻酔下に授動術(徒手的な関節包破断)を行う、あるいは関節鏡で関節包切離術を行うのが一般的でした。いずれも全身麻酔が必要になるため、少し敷居の高い治療でした。

しかし近年エコー技術の発達により、伝達麻酔(ブロック注射)のみでこの関節包破断を行うことが可能になりました。この伝達麻酔(ブロック注射)のみで行う関節包破断をサイレント・マニピュレーションと言います。

 

 どんな患者さんにサイレント・マニピュレーションを行うのか

当院では肩関節が固まった後に薬物療法・注射療法やリハビリを2.3ヶ月行っても腕を90度以上上げられない患者さんにサイレント・マニピュレーションを行なっています。

 

 サイレント・マニピュレーションの方法

頸部神経を確認

全て外来で、日帰りで手技を行います。

・まずエコーを見ながら肩から腕を支配する首の神経(C5.6.7神経)に注射で麻酔をかけます。

・15〜20分程度で麻酔がかかり腕の感覚が麻痺し、腕が自分で動かせなくなります。

・腕を軽く動かして痛みがないことを確認したら、医師が腕を持って動かし、肩関節の袋(関節包)を破ります。

・全方向に動かして、可動域が広がったことを確認します。

・最後に術後の炎症・痛みを和らげるために肩関節の中にステロイドを注射します。

・三角巾をしてお帰りいただきます。麻酔薬の種類にもよりますが、3時間〜半日で腕が動かせるようになります。

 

関節包が切れる際に、「パキッ」という音がします。この音ができるだけ小さな音になるよう手技の工夫がなされており、そこから「サイレント」と命名されています。翌日から筋肉の緊張をとるためにリハビリを開始します。2~3週間程度で概ね可動域の改善が安定します。

 

非常にキレがよく、患者さんから満足の得られやすい治療です。

長引く肩関節の可動域制限の方で、より早く動きを改善させたいという方は、当院のリハビリテーション・サイレントマニュピレーションによる治療を検討されてみてはいかがでしょうか。

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