神経ブロック
麻酔薬を注射し、痛みを改善させる治療法です。
当院ではエコーを用いて神経を確認しながら、主に以下のブロック注射を行っています。
仙骨硬膜外ブロック
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に伴う腰・足の痛みのある患者さんに行います。
脊髄を取り囲んでいる最も外側の膜を硬膜といい、この硬膜の外側に向けて、局所麻酔やステロイドの注射を行います。うつ伏せになった状態で尾てい骨の上の穴から注射し、30分程度安静にしてもらいます。
肩甲上神経ブロック
肩・肩甲骨の外側の痛みのある患者さんに行います。
肩甲骨上部を通り、肩と肩甲骨周囲を支配している肩甲上神経をブロックします。
肩甲背神経ブロック
肩甲骨内側の痛みのある患者さんに行います。
肩甲骨内側にある肩甲挙筋・菱形筋とその深層にある上後鋸筋の筋膜間にある肩甲背神経をブロックします。
腋窩神経ブロック
肩の後方に痛みのある患者さんに行います。
肩関節の後方にある腋窩神経が上腕骨・上腕三頭筋・小円筋・大円筋の４つの周囲の構造物により圧迫されると痛みが生じ、特に肩の水平内転で痛みが増悪します。腋窩神経をブロック・リリースします。併せてリハビリをしてあげると経過が良いです。
頸部神経根ブロック
頸椎椎間板ヘルニアや、頸椎症性神経根症による頸部・肩甲骨周囲の痛み、腕の痛みがある患者さんに行います。麻酔薬を多めに使うと肩の感覚を一時的に麻痺させることができるので、肩関節脱臼の整復時や肩関節拘縮に対するサイレント・マニュピレーション等の処置時にも使用します。
後頭神経ブロック
後頭部から頸部の痛みがある患者さんに行います。
第２頚神経の枝が周囲の筋肉に圧迫されて症状が出るので、この神経の周囲に注射します。
腰椎椎間関節ブロック
腰の後方にある椎間関節は、腰を後屈すると負担がかかります。後屈時の腰痛のある患者さんに行います。
