夏の熱中症と頭痛とめまい・ふらつき・たちくらみ
近年の夏の酷暑による熱中症により頭痛とめまい・ふらつき・たちくらみなどの症状を起こす患者さんが今年も多いです。
これらの症状は熱中症による様々な要因で起こります。
夏の熱中症と頭痛
熱中症により体温が上昇すると、体は体温を下げるために血管を拡張させようとします。この血管の拡張や、体温上昇に伴う炎症反応が、頭痛を引き起こします。
また、体にこもった熱を外に逃がして体温を下げようと汗をかくと大量の汗で体内の水分・塩分が不足することで、脳への血流が低下して血流を保とうと脳血管が拡張して頭痛が出現します。
片頭痛と緊張型頭痛が熱中症をきっかけに誘発されることもあります。
特に片頭痛は高体温により血管が拡張し、脳組織への血液供給が増えることで増悪することがあります。
冷房による室内と外気の暑さの寒暖差により頭痛が増悪することもあります。
夏の熱中症とめまい、たちくらみ
熱中症によるめまいは、暑さによって体温を下げようと皮膚の血管が広がり、全身の血液が皮膚に集まることで、脳への血液供給が一時的に減少します。
これにより、脳の酸素不足が生じ、めまいやふらつき、立ちくらみ、ひどい場合には失神を引き起こすことがあります
また、体にこもった熱を外に逃がして体温を下げようと汗をかくと大量の汗で体内の水分・塩分が不足することで、血液の流れが悪くなりめまいや立ちくらみが出現します。
熱中症の予防
昨今の地球温暖化により、酷暑となった日本の夏ではいつでもどこでも熱中症になる可能性がありますが、それでも変化する地球環境に合わせて対策を取らなくてはなりません。
十分な水分を摂取すること、冷房を使って室内の温度を調整すること、疲れを溜めずに休息することなどが重要ですが、これらのことをきちんとしていても熱中症になる可能性があるのでその際は脱水を補正するために点滴するしかありません。
脱水がひどくなると血液がどろどろになり脳の血流が悪くなり脳梗塞を起こすことがあります。
当院ではこの季節ではたくさんの患者さんが熱中症で入院して点滴して治療しています。
2025年7月29日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」にスタジオ生出演し、夏の頭痛について解説しました。
2025.8.17にテレビ朝日「有働Times」で熱中症後遺症について解説しました