治る認知症、正常圧水頭症
代表曲「ピアノ・マン」などで知られる歌手のビリー・ジョエルさんが脳内に髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する正常圧水頭症と診断され、治療に専念するためにツアーをすべて中止すると発表がありました。
ビリージョエルさんは好きなシンガーだったので大変ショックなニュースでしたが、76歳という年齢を考えると正常圧水頭症を発症してもおかしくはありません。
正常圧水頭症は認知症、歩行障害、尿失禁の3つの症状を呈する、高齢者に多い病気です。
65 歳以上の高齢者において認知症と診断された患者の 5〜10％が特発性正常圧水頭症であり、日本では30－50万人の患者さんがいると考えられておりますが、適切な治療を受ける患者さんは全体の1割にも満たないのが現状です。
当院でも認知症を心配して外来を受診したり、歩行障害で動けなくなって救急搬送された患者さんの中で、今まで見過ごされていた正常圧水頭症が発見されることが非常に多いです。
治る認知症
通常の認知症は、脳の機能が一度落ちてしまうと回復するには難しいですが、その中で正常圧水頭症は「治る認知症」ともいわれています。
当院では診断から手術、術後のリハビリまで首尾一貫して正常圧水頭症の治療を受けることのできる水頭症センターを立ち上げて以降、たくさんの患者さんを手術してきました。
なかには食事が食べられなかった患者さんが自分で食事ができるようになった患者さんや、歩けなかったのが自力で歩けるようになった患者さんもいらっしゃいます。
治る認知症、正常圧水頭症かどうかは外来で画像検査することによりすぐに診断することができます。
正常圧水頭症の画像のイメージ
治療は患者さんの身体に負担の少ない、最新の局所麻酔による正常圧水頭症の手術を行っております。
手術の効果をより高めるために術後は水頭症の患者さんに精通しているリハビリチームが症状を改善させるためにリハビリを担当します。
認知症や歩行障害、尿失禁と言った症状でお困りの方は当院にてご相談ください。
