保険適用の不眠障害用アプリMedcle(メドクル)
不眠障害アプリ外来は院長外来でのみ行っています。必ず予約をして受診してください。
日本人の約3〜5割が何らかの不眠の悩みを抱えていると言われています。これまで不眠障害の治療といえば、睡眠薬などの薬物療法が中心に行われてきました。しかし、薬の量を減らしたい、あるいは薬に頼りすぎずに根本から改善したいと望む患者さんは少なくありません。
そうした中、スマートフォンを活用して不眠障害を治療する日本初の医療機器プログラム、不眠障害用アプリMedcle(メドクル)が登場しました。本記事では、科学的根拠(エビデンス)に基づき、Medcleの特徴や治療の仕組みについて詳しく解説します。保険適用です。
睡眠薬だけに頼らない新しい不眠症治療の選択肢 Medcle(メドクル)とは
Medcleは、サスメド株式会社が開発した、不眠障害の治療を支援するためのプログラム医療機器(スマートフォンアプリ)です。一般的な健康管理や睡眠記録アプリとは異なり、医師の診察と処方があってはじめて使用できる医療機器です。
本アプリの最大の治療原理は、国内外の睡眠障害診療ガイドラインにおいて不眠症の非薬物療法の第一選択として強く推奨されている不眠症認知行動療法(CBT-I)です。対面式の専門カウンセリングと同等のプログラムを、患者さんのスマートフォン上で毎日実践できるように設計されています。
Medcleの治療プログラムと科学的根拠
Medcleによる治療期間は全体で9週間です。日々の記録とチャット形式の対話を通じて、睡眠に関する認知や行動の癖を修正していきます。Medcleを用いた治療は、保険診療として認められています。
| 睡眠表と睡眠衛生指導(最初の1週間) | 毎日の睡眠状況を記録し、正しい睡眠知識や生活習慣を学びます。このデータをもとに、一人ひとりに適した目標就寝・起床時刻が設定されます。 |
|---|---|
| チャット形式の振り返り(8週間) | 朝夕の1日2回、アプリ内のプログラム(チャット形式)を通じて自身の睡眠状態を振り返ります。 |
| 刺激制御療法・睡眠時間制限療法・認知療法 | ベッドに入ると目が冴えるといった悪循環を断ち切り、睡眠効率を高めるための行動介入を行います。 |
| アテネ不眠尺度(AIS)による評価 | 週1回、不眠の重症度を測るテストを実施し、医師とデータを共有しながら進めます。 |
国内の多施設共同無作為化比較試験(治験)では、本プログラムを用いた群において、対照群と比較して不眠症状の統計学的に有意な改善が認められています。医療機関側でも、患者さんが入力したデータをグラフィカルに確認できる管理システムを通じて、医師が安全かつきめ細やかに治療をサポートします。
Medcleによる治療の対象となる方
Medcleは、すべての方に使用できるわけではありません。適正使用指針に基づき、以下のような方が主な対象となります。
主な対象となる方
- 医師により不眠障害と診断されている方
- 不眠症状が軽症から中等症の方
- 薬物療法が適さない方、または睡眠薬による治療に同意しない方
治療の対象外となる場合
一方で、重症の不眠障害の方、2種類以上の睡眠障害治療薬を服用中の方、他の睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群など)や精神疾患が疑われる方、夜勤・交代勤務のある方などは、原則として対象外となります。現在睡眠薬を服用中の方も自己判断で中断せず、必ず医師に相談してください。
医師からのメッセージ
不眠は日中のパフォーマンス低下や生活の質の低下を招く大きな要因です。これまで薬を飲むしかないと諦めていた方にとって、アプリを用いた認知行動療法(Medcle)は、科学的根拠に裏打ちされた睡眠リズム改善の選択肢となります。
アプリの適応については、患者様の症状や持病、服薬状況などを総合的に判断する必要があります。不眠障害用アプリMedcle(メドクル)による治療を希望の方は当院を受診してください。
このアプリは研修を受けた医師でないと処方できませんので、院長外来でのみ行っています。必ず予約したうえでご来院ください。
参考文献(学術文献・公的資料)
- Watanabe, Y., et al. "Effect of smartphone-based cognitive behavioral therapy app on insomnia: a randomized, double-blind study." SLEEP, zqac062, 2022. (国内第Ⅲ相多施設共同無作為化比較試験の査読付き原著論文)
- 厚生労働省 医療機器製造販売承認品目情報:「不眠障害用プログラム(販売名:サスメド Med CBT-i / Medcle)」承認番号: 30500BZX00033000
- 日本睡眠学会 編集:「睡眠障害診療ガイドライン」 じほう (非薬物療法としてのCBT-Iの推奨に関するエビデンス)
最終更新日:2026年8月28日
執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
- 医療法人慶真会 川崎中央クリニック院長/横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
- 大橋ボクシングジムチーム八重樫メディカルサポート
- プロレスラー小橋建太プロデュースFORTUNE DREAMのリングドクター
- ABEMAウルフアロンから3カウント取ったら1000万円リングドクター
【保有資格・所属学会】
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

