【整形外科トピックス】 春になると膝が痛くなる?その原因と対策をわかりやすく解説
春は暖かく過ごしやすい季節ですが、「膝が痛くなってきた」と感じる方が意外と多い時期でもあります。
実は、春特有の環境変化が膝の痛みに影響している可能性があります。
本記事では、理学療法士の視点から、春に膝痛が起こりやすい理由とその対策について、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。
春に膝が痛くなる主な原因
① 気温差と気圧の変化
春は寒暖差が大きく、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。
このような環境変化は、関節内の圧力変化や自律神経の乱れを引き起こし、痛みを感じやすくなります。
特に、
- 変形性膝関節症
- 膝の手術をしたことがある方
- 過去に膝を痛めた経験がある方
では症状が出やすい傾向があります。
「雨の前に膝が痛む」というのは、科学的にも説明されている現象です。
② 冬の運動不足による筋力低下
冬は活動量が減りやすく、太ももの筋肉(大腿四頭筋)お尻の筋肉(殿筋)が弱くなりがちです。
この筋肉は膝関節のクッションの役割を担っているため、弱くなると膝への負担が増えます。
春になって急に動き出すと…
膝に過剰な負担がかかる→ 痛みが出る
③ 新生活による生活環境の変化
春は、
- 引っ越し
- 通勤・通学の変化
- 活動量の増加
など生活スタイルが大きく変わる時期です。
これにより、
- 歩く距離が増える
- 慣れていない新しい靴を履く
- 階段の使用頻度が増える
など、膝にかかる負担が急激に増加します。
特に注意が必要な方
以下の方は春の膝痛リスクが高いため注意が必要です。
- 40歳以上の方
- 体重が増加している方
体重1㎏増加につき膝には2~3㎏の負担増と言われています。
- 過去に膝を痛めたことがある方
- 運動習慣が少ない方
今日からできる膝痛対策
① 軽い運動からスタート
いきなり運動を増やすのではなく、段階的に行いましょう。
おすすめ: ウォーキング(1日15〜20分)
ストレッチ
② 太もも、お尻の筋力トレーニング
膝痛予防には「大腿四頭筋」「殿筋」の強化が最も重要です。
簡単な運動: 椅子に座って膝を伸ばす運動(10回×3セット)
仰向けに寝てお尻を持ち上げる(10回×3セット)
運動の詳細は整形外科医、理学療法士にご相談ください。
③ 体を冷やさない
関節は冷えると動きが悪くなり、痛みが出やすくなります。
対策:サポーターの使用
入浴でしっかり温める
④ 無理をしない(違和感は早めに受診)
「少し痛いけど大丈夫」と無理をすると悪化するケースが多いです。
以下の場合は早めの受診をおすすめします:
- 痛みが1週間以上続く
- 腫れや熱感がある
- 歩行に支障が出る
まとめ
春の膝痛は、
- 気候変化
- 筋力低下
- 活動量の急増
が重なって起こることが多いです。
しかし、適切な対策を行えば予防・改善が可能です。
「春だから仕方ない」と我慢せず、早めのケアを心がけましょう。
少しでも不安を抱えている方は整形外科の受診をお勧めします。
執筆者情報
医療法人慶真会 川崎中央クリニック
理学療法士
* 東京都立大学(旧:首都大学東京)卒業
* 理学療法士(国家資格)
* 臨床経験17年
* 延べ担当患者数5万人以上
* 脳血管・運動器リハビリテーションに従事
参考文献
1. 日本整形外科学会
変形性膝関節症診療ガイドライン
2. 日本リハビリテーション医学会
運動器リハビリテーションに関する指針
3. World Health Organization
Physical Activity Guidelines
4. 厚生労働省
健康づくりのための身体活動基準
5. The Journal of Rheumatology
気圧変化と関節痛に関する研究

