ヤンドク!の手術を脳外科医療指導医が解説
③上衣腫のう胞に対する神経内視鏡下減圧手術(第2話)
上衣腫とは?
上衣腫(じょういしゅ)は、神経膠細胞から発生する神経膠腫(グリオーマ)の一種で、脳の中の髄液をためている脳室の壁を形成する上衣細胞に由来する脳腫瘍です。
腫瘍の近傍に空洞(嚢胞)を形成することが多く、腫瘍本体と合わせてのう胞が大きくなることで脳を圧迫することがあります。
治療法は手術で、のう胞を含めて全摘出を目指します。のう胞が急速に増大した場合はまずはのう胞だけを減圧することもあります。
ナビゲーション併用神経内視鏡下減圧手術
神経内視鏡学会技術認定医という立場から、この手術を解説いたします。
手術はナビゲーションを併用して神経内視鏡を使用しました。
ナビゲーションとは車のナビと同じようなもので術前のCTやMRIなどの画像を取り込み、座標を決めることで、手術中にどこにいるかが分かるという最新鋭の機械です。
内視鏡は硬性鏡と呼ばれる曲がらない、頭の中に入れる専用の内視鏡を使用します。
神経内視鏡(硬性鏡)
ナビゲーションと神経内視鏡をドッキングすることにより、内視鏡の先端がどこにあるのかをリアルタイムで知ることができます。
湖音波先生は神経内視鏡の映像とナビゲーションの画像の両方を見ながら、自分が頭の中のどこにいるか、腫瘍の方向にきちんと進んでいることを確認しながら、周囲の血管や脳組織を損傷させないで内視鏡を進ませるという、超高度なテクニックを行っていたわけです。
内視鏡を進める際は透明シースと呼ばれる透明な筒を使い、周囲の脳組織を傷つけていないかを確認します。
のう胞まで到達したらメスでのう胞を切開しのう胞の内容液を吸引します。
今回の手術ではのう胞を減圧するのが目的なので、改めて後日に腫瘍本体を摘出するものと思われます。

