【スマホ首ドクター監修】スマホ首とテキストネック症候群:知っておきたい違いと改善法
現代社会において、スマートフォンは生活に欠かせない道具となりました。しかし、その便利さの代償として、首や肩の不調を訴える方が急増しています。
一般的にスマホ首と呼ばれますが、医学的にはテキストネック症候群という言葉も使われます。
これらは似ているようで、実は少しニュアンスが異なります。専門的な視点から、その違いと対策を分かりやすく解説します。
スマホ首とテキストネック症候群は何が違うのか
結論から言うと、この二つは状態を指すか、症状の集まりを指すかという違いがあります。
スマホ首(ストレートネックの状態)
主に首の骨(頸椎)のカーブが失われ、まっすぐになってしまった形状の変化を指します。
本来、首の骨は緩やかなC字カーブを描いて頭の重さを分散していますが、うつむき姿勢が続くことでこのカーブが消失します。
テキストネック症候群(広範囲の身体症状)
スマートフォンなどのデバイスを操作する際のうつむき姿勢によって引き起こされる、首・肩の痛み、頭痛、さらには腕のしびれや背中の張りなど、全身に及ぶ一連の症状を総称したものです。
つまり、スマホ首という物理的な変化がベースにあり、それによって引き起こされる様々な体調不良がテキストネック症候群であると整理できます。
なぜうつむくだけで問題が起きるのか
人間の頭の重さは、体重の約10%(約5〜6kg)と言われています。
首がまっすぐ立っている状態なら支えられますが、角度が深くなるほど首への負担は増大します。
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顔を15度前に傾けると、首には約12kgの負荷がかかります。
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さらに深い60度では、約27kgもの負荷がかかるとされています。
これは、小学校低学年の児童を一人、首に乗せているのとほぼ同じ重さです。この過度な負担が毎日数時間続くことで、筋肉は硬くなり、神経や血流を圧迫してしまいます。
日常でできる3つの対策
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視線の高さを変える
スマートフォンの位置を目線の高さまで上げてください。脇に反対の手を挟むと、腕を固定しやすくなり、自然と目線が上がります。 -
20分に一度のリセット
集中すると筋肉は固まります。20分ごとに一度スマホを置き、肩甲骨を寄せるようにして胸を開き、ゆっくりと斜め上を見上げるストレッチを行いましょう。 -
枕の高さを見直す
高すぎる枕は、寝ている間もスマホ首の状態を強制してしまいます。首のカーブを自然にサポートする高さのものを選びましょう。
スマホ首ドクターからのアドバイス
首の痛みを単なる肩こりと放置せず、手のしびれや強いめまいを伴う場合は、頚椎ヘルニアなどの疾患が隠れている可能性もあるため、早期に専門医を受診することをお勧めします。
当院では、最新の知見に基づき、患者様一人ひとりの生活スタイルに合わせた姿勢指導とリハビリ治療を行っております。
【参考文献】
Hansraj, K. K. (2014). Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surgical Technology International, 25, 277-279.
David, D., et al. (2021). Text Neck Syndrome: A Review of Literature. International Journal of Occupational Medicine and Environmental Health.
日本脳神経外科学会 / 日本脊髄外科学会 診療ガイドライン(頸椎症性脊髄症・神経根症)
院長Dr.市村が日本テレビ「DayDay.」にスタジオ生出演し、ストレートネック(スマホ首)について解説しました
執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
- 医療法人慶真会 川崎中央クリニック院長/横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
- プロレスラー小橋建太プロデュースFORTUNE DREAMのリングドクター
【保有資格・所属学会】
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

