天気が悪いと肩がこる?気象病・天気痛のメカニズムと対策
雨が降る前に肩が重くなる
台風が近づくと頭痛や肩こりがひどくなる
こうした症状は、単なる気のせいではありません。医学的には気象病や天気痛と呼ばれ、近年の研究でそのメカニズムが徐々に解明されています。
今回は、なぜ天気が肩こりに影響するのか、そして日常でできる対策について詳しく解説します。
なぜ気圧で肩がこるのか?
私たちの耳の奥には内耳という気圧の変化を感じ取るセンサーがあります。
気圧が急激に変化すると、このセンサーが脳に過剰な信号を送り、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
自律神経には交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)がありますが、気圧変動によって交感神経が優位になりすぎると、血管が収縮し、筋肉が緊張します。これが、血行不良を引き起こし、頑固な肩こりや痛みとして現れるのです。
寒暖差も大きなストレス要因
天気の崩れに伴う気温の低下も無視できません。
急激な冷え込みは、無意識のうちに体に力を入れさせ、筋肉を硬直させます。
特に首から肩にかけての筋肉は冷えに敏感で、自律神経の乱れと相まって症状を悪化させる原因となります。
今日からできる!3つの天気痛対策
自律神経を整え、気圧の変化に強い体を作るための具体的な方法をご紹介します。
耳の血流を良くするマッサージ
内耳の血行を促すことで、センサーの過敏を抑える効果が期待できます。
両耳を軽くつまんで、上下横に引っ張ったり、円を描くようにゆっくり回したりしてみましょう。
首を温めてリラックス
首の後ろには太い血管と自律神経が通っています。
蒸しタオルやネックウォーマーで温めることで、筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善します。
良質な睡眠と規則正しい生活
自律神経の土台を作るのはリズムです。
特に気圧が不安定な時期は、湯船に浸かって深部体温を上げ、早めに就寝することを心がけてください。
医師からのアドバイス
肩こりがひどいからといって、ただマッサージを受けるだけでは根本的な解決にならない場合があります。
天気が悪いと調子が悪いと感じる方は、まずは自律神経のケアを意識してみてください。
あまりに痛みが強い、あるいは長引く場合は、血流障害や他の疾患が隠れている可能性もあります。
我慢せず、一度専門の医療機関へご相談ください。
【参考文献】
• 佐藤純. 「気象病・天気痛のメカニズムと治療」. 日本生気象学会雑誌, 2017.
• 日本臨床神経生理学会. 「自律神経機能検査ガイドライン」.
• A. Sato et al. "Influence of barometric pressure on pain-related behavior." Journal of Applied Physiology.
• 厚生労働省 e-ヘルスネット 「自律神経失調症」
執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
- 医療法人慶真会 川崎中央クリニック院長/横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
- プロレスラー小橋建太プロデュースFORTUNE DREAMのリングドクター
【保有資格・所属学会】
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

