脳神経外科医が考察するZUMBAの魅力
今回は脳神経外科医として立場からZUMBAの魅力を効果を考察します。
ZUBMAはダンスプログラムの世界的なブランドです
ダンスは元気で長生きの秘訣
外来で80歳を超えて90歳近くになられても足腰がしっかりされていて認知症もなく元気に通院されている患者さんがいらっしゃいます。そのような患者さんは主に女性ですが、耳もしっかり聞こえて見た目もマイナス10-20歳ぐらいに非常に若く見えます。
私はこのように患者さんの秘訣を探りたくて、診察中に様々な質問をさせていただきました。
そして元気に長生きしている患者さんの共通点は「ダンス」であることに気づきました。ダンスといってもフラダンスや日本舞踊、社交ダンスとジャンルは多岐にわたります。
そこで脳神経外科医としての経験をもとに、なぜダンスが元気で長生きするのに有効なのかを考察しました。
ダンスの有効性
運動をする際に、前頭葉にある運動野という場所が中枢となって指令を出し人間の手足は動きます。
また手足を動かして得られた感覚は頭頂葉にある感覚野という場所に伝わり、知覚として認識されます。
このように運動することで前頭葉から手足、そして手足から頭頂葉という回路で脳と体を循環して刺激されることになります。
また、ダンスでは振付を覚えるために記憶の中枢である側頭葉内側にある海馬という場所で一時的に振付の記憶がされ海馬が活性化されます。また振付を覚えるために注意深く見なくてはならないので、視覚の中枢である後頭葉も刺激されます。
ダンスをすると体の運動だけではなく、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉と頭全体が刺激されることになります。
また、ダンスでは体幹の筋肉を使うために、ウェイトでは鍛えられない体幹トレーニングにもなります。
このように、ダンスは頭と体にとっていいこと尽くしの運動といえます。
なぜZUMBAなのか
私の世代の男性は学校でダンスを教わることはなかったので、私自身も今までにダンスをしたことが全くありませんでした。
それまでは格闘技が好きということもありジムではBODY COMBAT(Les Mills)やFIGHT DO(Radical Fitness)といった格闘技系プログラムだけを敬愛するブルースリー気分で楽しんでいました。(今でも格闘プログラムを愛好しています)
ダンスの経験が全くない私にとってダンスプログラムは相当に敷居の高いもので、大半の日本人にとっても同様だと思います。
友人に誘われて初めは渋々ZUMBAに参加したのですが、その時のトレーナーが秋のZUMBA祭りを手伝ってもらったMIKAでした。
初めてのZUMBAは今までに経験したことのない楽しいプログラムでした。
それ以降、週に1-2回はZUMBAを行っていますが、どんどんその魅力と楽しさにのめりこむようになり、なぜZUMBAが楽しくて健康にいいかを自分なりに考察するようになりました。
結論から言うと、私はZUMBAを老若男女、万人にお勧めできるバランスの取れた最高のフィットネスプログラムだと考えています。
秋のZUMBA祭りでMIKAさんと
下手でもいいから音楽を楽しみ、体を動かす
ZUMBAの魅力は「とにかく楽しい」ことです。
ZUMBAは南米コロンビア出身のダンサーが創設したで「下手でもいいから音楽を楽しみ、体を動かす」をコンセプトとした、サルサやメレンゲといったラテン音楽に合わせてダンスするプログラムです。
私のようなダンスをやったことのないへたくそな人間でも理屈なく楽しむことができます。
ZUMBAをやっている人たちにとっては自分が楽しむことがすべてであり、周りの人はうまいかどうかなど誰も見てもおらず気にさえ留めません。
私のようにダンスの経験が全くない人にとってZUMBAはハードルが高いことは重々承知していますが、楽しめることは保証しますのでZUMBAの世界に飛び込んでみてください。
言語を使わないプログラム
ZUMBAでは事前に振付の説明もなく、言葉での合図もないために、インストラクターをまねてダンスするだけです。
そのために私のようなダンス未経験者でも初回から難しいことを考えることなく楽しく参加することができます。
振付を間違えても全く問題なく、そのうち全く気にしなくもなります。
言葉での説明もないために、例えば海外でいきなりZUMBAに参加しても楽しむことができます。
世界共通語ともなりえるプログラムだと思います。
肩こりや股関節に効く多関節運動
振付もいろいろあるために、肩甲骨を動かすことが多く、特に肩こりに有効です。
ZUMBAを行うと本当に肩こりにききますので、外来で長時間座ったりパソコンを使う時間が多い私には定期的なZUMBAが欠かせません
また、ステップや腰回りの動きが多いために股関節運動や腰痛にも効果があります。くびれのあるウェストを作りには最適です。
余談ですが、解剖学的な違いから男性より女性のほうが圧倒的に腰回りの動きがうまいことをZUMBAでは実感します。私は男性なので腰回りの動きはうまくできません。
適度な有酸素運動
ZUBMAは見た目以上に運動量があります。激しくない程度に有酸素運動があるので減量にも役に立ちます。
音楽がいい
ZUMBAで流れる曲はラテン音楽を中心にして世界中の音楽で、クンビア、サルサ、メレンゲ、レゲトンを必須の項目としてエクササイズが行われ、そこにマンボ、チャチャ、ソカ、サンバ、アシェ、ミロンガ、バチャータなど他のラテン音楽、ヒップホップ やフラメンコ、ロック、タンゴ、ジャズスウィング、ベリーダンス、ボリウッド(インド舞踊)などが加わります。。さらに2016年からは JPOPが追加されました。(WIKIPEDIAより)
普段日本ではあまり聞くことのないような曲が使われることが多いので、それだけでもテンションが上がります。
個性あふれる魅力的なトレーナー
ZUMBAでは個性的なトレーナーが担当します。トレーナーはダンスを教えるというよりも、参加者と一緒にダンスを楽しんでいます。今回のZUMBA祭りでたくさんのZUMBAトレーナーにお会いしましたが、いずれの方々も日本人離れしたノリを持つ魅力的な方々ばかりです。毎回トレーナーの方々から元気をもらいます。
秋のZUMBA祭りでお世話になったトレーナーの方々と
メンタルヘルス(心の健康)にもいい
ノリのいいラテン音楽合わせて体を動かすためにストレス発散になります。ナイトライフのお祭り騒ぎをフィットネスジムという健全な場所で楽しんでいる感じです。
日常の生活では絶対にない盛り上がりを健康的に行うことになり、心身ともにストレスを発散することができます。私は最低週に1回は45分x2の90分のZUMBAを行っておりますが、これが精神的な安定をもたらしてくれます。