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スギ花粉症の舌下免疫療法薬

[2021.12.03]

舌下免疫療法薬とは

スギ花粉症の治療にはいろいろありますが、薬物療法といわれる内服薬や点鼻液による治療はあくまで症状に対する薬であり半永久的な体質改善を得ることはできない治療です。それに対しアレルギー免疫療法は、根本的にアレルギー症状を改善させることのできる可能性のある唯一の治療法です

アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。主には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。アレルギーを起こす物質をアレルゲンと呼びますが、舌下免疫療法とはアレルゲンを少量から摂取して慣れていき、根本的な体質改善を目指す治療です。以前は皮下投与や舌下液によるものでしたが、2018年より舌下錠が発売されより簡便な新たな舌下免疫療法として注目されています。

舌下免疫療法は、スギ花粉症と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。

 

スギ花粉症(薬品名シダキュア) 

 

販売前の臨床試験の結果では、およそ80%の方に効果がありました。内訳は2割の方が完治し、6割の方に症状の改善が見らました、2割の方は効果がありませんでした。

舌下免疫療法の注意点

この治療は毎日薬の舌下投与を続けなければならず、3年間以上は治療を続ける必要があります。また、最初の1年間は2-4週毎に通院する必要があります。副作用としては開始直後などに起きることが稀にあるとされていますが、アナフィラキシーショックを起こす方がいらっしゃいます。また一時的な副作用としては口の中の副作用(口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ)、喉のかゆみ、耳のかゆみ、頭痛などが起こる可能性があります。こうした副作用は治療開始から3か月間は注意しなくてはなりません。また、5歳未満、65歳以上、重度の気管支喘息、悪性腫瘍、免疫不全などの既往歴、他の疾患治療で免疫抑制剤を服用している方はこの治療ができません。

治療開始・服用方法

まずは通常の外来を受けて頂き、舌下免疫療法をできるかを問診と検査をします。

その後、初回投与はアナフィラキシーショックの可能性を考え外来にて舌下投与をして、30分経過を観察します。問題なく経過すれば、翌日からは毎日自宅で服用し、1週間後受診していただきます。薬は1日1回、舌の下に1~2分間保持した後に飲み込みます。その後5分間はうがい、飲食をひかえてください。なお、こうした基本的な投与のやり方は、その後もずっと変わりません。初めの1週間は体に慣らすために少量を舌下投与します。2週目からは薬を増量し、長期間この量を維持します。 

 

 

治療の開始時期について     

スギ花粉の治療は花粉が飛散している時期から開始することができないために、6月から12月までに治療を開始します。次の年の花粉飛散シーズンから、治療効果が期待できます。

 

期待できる効果

長期に渡り正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、症状をおさえる効果が期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。

 

保険適応です

この治療は保険適応です。当院では院長でないとこの舌下錠は処方できないので、院長外来にてご相談下さい。

 

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