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片頭痛に対する新しい治療薬

[2021.10.01]

女性に多い片頭痛

片頭痛という名前は頭の片側が痛むことに由来しますが、4割程度の患者さんが両側性の頭痛を持っています。片頭痛では頭痛より前に起こる症状で、キラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性前兆が最も多くみられます。通常は60分以内に前兆が終わり、引き続いて頭痛が始まります。片頭痛発作は通常4~72時間続き、片側のドクンドクンと拍動する頭痛が特徴です。頭痛の程度は中等度~高度で日常生活に支障をきたすこともあります。また、階段の上り下りなど日常的な運動により頭痛が増強することも特徴のひとつです。悪心(吐き気)、嘔吐を伴うことが多く、頭痛発作中は感覚過敏となって、ふだんは気にならないような光、音、においを不快に感じる方が多いです。

日本 人における 1 年間の片頭痛有病は 8.4%と推定され,女性 が男性の 3∼4 倍多いことが明らかにされています。比較的若い女性に多く、最も多いのは30代の女性です。

治療には頭痛発作時に特効薬としてトリプタン製剤が使われ始めて20年以上が経過しましたが、重篤な副作用の報告はほとんどなく、安全性が高いお薬と評価されています。しかし、トリプタン製剤を投与してもなお片頭痛が改善されない患者さんがいるのが現状です。そこ新たな特効薬の登場が期待されておりました。

 

ヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤

2021年に入り、ヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤と呼ばれる片頭痛の新薬が次々と発売になりました。これは片頭痛の病態に関わるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新薬で、トリプタン製剤以来20年ぶりの片頭痛の治療薬です。

CGRPは頭の硬膜や三叉神経にあり、片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因いわれています。この薬は、CGRPの働きをブロックすることで、発作を減らし軽いものにします。この薬剤は内服ではなく、4週間に1回1本を皮下注射します。また12週間に1回皮下注射するものもあります。通院して頂いた際に皮下注射をいたします。
当院では2種類のヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤を採用しておりますので、患者さんの状態に合わせて選択します。保険適応です。なお初診時にすぐには皮下注射はできません。この薬剤を投与する際はいくつかの条件がありますので、診察時にご相談ください。

 

 

 

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