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特発性正常圧水頭症

脳脊髄液が何らかの原因によって過剰に滞留してしまう病気

脳は水(脳脊髄液)の中に浮いているような構造をしており、浮くための水(脳脊髄液)も私たちの脳が自ら作り出しています。無色透明で無菌の水である脳脊髄液は脈絡叢(みゃくらくそう)という部分から生み出され、くも膜顆粒という場所で吸収されてゆきます。1日に約450mlものの脳脊髄液が産生され、約3回ほど入れ替わりを重ねながら常に循環しています。その過程で何らかのトラブルが起き、脳脊髄液の吸収が悪くなってしまうと脳室に水が溜まり過ぎてしまうこととなります。過剰になった脳脊髄液は脳室を次第に拡大させ、脳を圧迫するようになります。圧迫によって血流が悪くなり、さまざまな障害が引き起こされるようになります。これがいわゆる水頭症と呼ばれる状態です。中でも脳脊髄液の通り道が腫瘍などによってふさがるなどといった明らかな異常が見つからず、原因が特定できないものを「特発性正常圧水頭症」と呼んでいます。

特発性正常圧水頭症はご高齢の方に多くみられやすい疾患です

特発性正常圧水頭症は頭部外傷やくも膜下出血などが引き金となって起きることが多いですが、中でもご高齢の方に多くみられやすいという特徴があります。頭痛や嘔吐症状のほか、意識障害など認知症によく似た症状が現れるようになるのが特徴的な病気です。

特発性正常圧水頭症による主な症状

代表的な症状として以下のようなものが挙げられます。

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 歩行障害
  • 認知症
  • 尿失禁 など

「手術で治せる認知症」とも呼ばれています

特発性正常圧水頭症は慢性硬膜下血腫と同様に「治る認知症」としても知られています。失語症や意識障害、無気力感などといった認知症によく似た症状を伴いやすいためそう呼ばれていますが、手術治療によって症状の改善を比較的速やかに図ることができます。ご高齢の方において「何かおかしいな?」と感じるような症状が現れるようになった場合には、まずはCTやMRIなどを用いた詳細な検査を加えて頭部の異常の有無を明らかにする必要があります。

当院の診療方針

特発性正常圧水頭症はCTやMRIなどを用いた専門検査を加えることによってすぐに診断がつけられやすい疾患です。

CT

X線を用いて脳の圧迫の有無を見つけ出す検査です。CTは1mm以下の小さな病変も見つけ出すことができるため、精度の高い診断を可能とします。

MRI

CTによって何らかの異常が見つかった場合、さらに内部の状態を詳細に観察する必要があります。MRIを用いると脳室の拡大の様子などをさらに詳しく診ることができます。
さらに高度な分析・治療が必要と判断された場合には、提携の医療機関へ随時ご紹介もさせていただいております。

脳脊髄液の採取など、入院治療が必要となる病気です

特発性正常圧水頭症の治療にあたっては、まずは脳脊髄液を採取してその成分を詳しく分析する必要があります。背骨の後ろにある脊柱管に針を刺し、脳脊髄液を採取(腰椎穿刺)します。採取された脳脊髄液をもとに、脳や脊髄に関する特別な疾患がみられないか詳しく分析を加えます。その他にも、歩行の様子を確認するテスト(タップテスト)もあわせて行っております。

当院では最新のナビゲーションシステムを導入し、より精度の高い手術治療をご提供いたしております

特発性正常圧水頭症の手術にあたっては脳室腹腔シャント術(VPシャント)と呼ばれる治療が必要となります。脳室に過剰に滞留している脳脊髄液の流れを正常に戻すために、皮下に細いシリコン製のチューブを挿入して頭部から腹部へ水を流すルートを作り、排出を行います。当院では最新のナビゲーションシステムを導入しており、脳室へのチューブ挿入の際など、より精度の高い安全性にもこだわり抜いた手術治療を展開いたしております。

認知症だと思い込んでいた症状が手術によって治る可能性があります

特発性正常圧水頭症は、できるだけ早くその異常に気づき、適切な治療を施すことが重要となる病気です。代表的な症状でもある歩行障害や認知症、尿失禁といったものは老いとともに引き起こされやすいものであり、脳の異常とはなかなか結びつきにくいという背景があります。しかしながらご高齢者の認知症患者とされる5%~10%が特発性正常圧水頭症である可能性も指摘されており、慢性硬膜下血腫のようにCTやMRIなどを用いた精密検査を加えればすぐに診断がつきやすい病気でもあります。適切な手術治療を行えば速やかに症状も改善され、「治る認知症」としても昨今注目を集めています。「歩幅が小さくなり、すり足で歩くようになった」「急に物忘れがひどくなった」「ボーッとして無気力な状態が続くようになった」などといった異変に気づかれた場合には、まずは当院までご相談いただき、頭部の異常の有無を明らかにすることが大切です。

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