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片頭痛発作の急性期治療薬レイボー

[2023.12.03]

「片頭痛の症状から早く解放されたい」「痛みがぶり返さないでほしい」と悩んでいる片頭痛患者さんのためのお薬がレイボーです。

レイボーは今までの薬とは違う、新しいタイプの急性期治療薬で、片頭痛発作に対する効果が期待されています。
セロトニン受容体1F作動薬のレイボー(ラスミジタン)です。

片頭痛には、脳での痛み信号、末梢で痛みを伝達する三叉神経などのの過活動が関係しているとされます。この調整をセロトニン1F受容体というところが行っています。

レイボーは片頭痛の痛みに関係しているセロトニン1F受容体に選択的に結合して、痛みを抑えます。

一般的にお薬は脳に直接作用しにくくなっていますが、レイボーは血液―脳関門通過性を持っていて、脳内では片頭痛痛み信号を抑え、末梢では三叉神経からの痛みに関係する伝達物質(CGRPやグルタミン酸など)の放出を抑えることで、片頭痛発作に効果を示すと考えられています。早期の効果が期待できる特徴もあります。
なお、冠動脈等の収縮作用はなく、幅広い患者さんに服用いただくことが可能です。

これまでの片頭痛治療薬としてトリプタン製剤がありましたが、トリプタン製剤はセロトニン受容体1B/1D作動薬であり、作用点が異なります。

 

レイボーは片頭痛発作が起きた時に飲むお薬です

レイボーは、様々な種類の頭痛の中でも片頭痛だけに効く、片頭痛専用のお薬です。片頭痛発作時のみに使用し、予防的には使用できません。服用するタイミングには影響されにくいお薬ですが、片頭痛発作が起き始めたら、我慢せず早めに服用します。

注意事項

  • 副作用として、浮動性めまい、傾眠などが報告されていますので、はじめて内服する時は、すぐに横になって休めるように自宅での内服をおすすめします。
  • 運転や高所での作業は控えてください。
  • 内服回数が増えるにつれて副作用は軽減します。
  • 15歳以上の方のみ内服可能です。
  • 妊婦は有益性が優る場合のみ内服可能です。
  • 授乳中の場合は内服できません。
  • レイボーは24時間で合計200mgを超えないように服用しなければなりません。

レイボーの内服の仕方にコツがあります

レイボーは2022年に発売になった薬剤で、私も今まで患者さんに使用したことがありませんでしたが、使い方が難しくていまいち効果を実感しませんでしたが、片頭痛の講演会や情報会でレイボーの情報を蓄積していくうちに、片頭痛の急性期にレイボーを有効的に使う内服の仕方をマスターしました。

この効果的な内服の仕方で最近レイボーを処方した患者さんの中には片頭痛の苦しみから解放された患者さんが多くいらっしゃり、レイボーの有効性を実感しています。

片頭痛治療の新時代へ

片頭痛の治療が長年に渡りトリプタン製剤が大きな役割を果たしてきましたが、最近では今回ご紹介したレイボーや当院でも採用している抗CGRP関連製剤と近年画期的な薬剤が発売され、片頭痛治療の新時代を迎えています。こうした片頭痛の薬剤は専門家でないとなかなか調整して処方することはできません。片頭痛でお困りの患者さんはご相談ください。

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