お酒好き必見!減酒が肝臓だけでなく腎臓も守る理由と今日からできる3ステップ
辛いお酒の制限ではなく、未来の体を守るための減酒(お酒の量を減らすこと)。実は、肝臓だけでなく腎臓を守るためにも、非常に重要な取り組みであることをご存知でしょうか。
健康診断で尿蛋白やeGFRの数値が少し気になった方や、お酒を楽しみつつも健康を維持したい方に向けて、最新の医学的知見に基づいた減酒のメリットと具体的な実践方法を解説します。
減酒が腎臓病の予防と保護につながる3つの理由
腎臓は、体内の老廃物をろ過して尿を作る精密なフィルターのような臓器です。アルコールそのものが直接腎臓を激しく破壊するわけではありませんが、お酒の飲みすぎは複数の要因でこのフィルターを傷つけてしまいます。
血圧低下による血管への負担軽減
お酒を過剰に飲み続けると、血管が収縮して血圧が上がります。腎臓は細い血管が凝縮してできている臓器であるため、高血圧によるダメージを最も受けやすいのです。減酒によって血圧が下がれば、それだけで腎臓にかかる負担を直接減らすことができます。
利尿作用による脱水症状の防止
アルコールには強い利尿作用があります。ビールを1リットル飲むと、1.1リットルの水分が尿として排出されると言われています。体が脱水状態になると、腎臓への血流量が減り、ろ過機能が一時的に低下してしまいます。
尿酸値の上昇と結晶化のリスク抑制
お酒に含まれるプリン体や、分解される過程で体内の尿酸が増えます。尿酸が高くなると、腎臓の中に尿酸の結晶がたまり、フィルターを物理的に傷つけてしまう原因になります。
医療ガイドラインが推奨する適正な飲酒量
完全に禁酒しなければならないわけではありません。日本の医療ガイドラインでは、腎臓や生活習慣病を守るための節度ある適度な飲酒の基準が明確に定められています。
厚生労働省の「健康日本21」や日本高血圧学会のガイドラインでは、1日あたりの純アルコール量を約20g程度に抑えることを推奨しています。
| アルコール飲料の種類 | 純アルコール20gの目安 |
|---|---|
| ビール(5%) | ロング缶1本(500ml) |
| 日本酒 | 1合(180ml) |
| 焼酎(25度) | グラス1杯弱(100ml) |
| ウイスキー(43度) | ダブル1杯(60ml) |
| ワイン(12%) | グラス2杯弱(200ml) |
※女性や高齢者、お酒に弱い方は、この半分程度である純アルコール10gが目安となります。既に慢性腎臓病(CKD)の診断を受けている方は、必ず主治医の指示に従ってください。
今日から無理なく始められる減酒の3ステップ
お酒を急にゼロにするのは強いストレスがかかり、リバウンドの原因になります。まずは生活習慣を少しずつ変えていくのが成功のコツです。
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週に2日以上の休肝日を作る
まずは曜日を固定して、週に2日はお酒を全く飲まない日を作りましょう。これにより、腎臓や肝臓を休ませる時間が確保されます。 -
お酒と同量以上の水を一緒に飲む
お酒を飲むときは、必ず横に和らぎ水を用意してください。交互に水を飲むことで脱水を防ぎ、腎臓への負担を和らげるとともに、飲みすぎ自体を抑制できます。 -
ノンアルコール飲料を上手に活用する
「最初の一杯だけ本物を飲み、二杯目からはノンアルコールにする」といった工夫だけで、純アルコール量を劇的に減らすことが可能です。
主治医と一緒に一歩ずつ
減酒は、大切な腎臓の機能をこれ以上悪化させないための最も確実で始めやすい治療の一つです。
健康診断の数値が気になっている方は、ぜひ次回の診察時に許容される飲酒量を主治医に相談してみてください。あなたの体質やeGFRの数値に合わせた、最適なアドバイスが得られるはずです。
未来の自分の健康のために、まずは今日の一杯を少し減らすことから始めてみませんか。
参考文献
| 日本腎臓学会 | エビデンスに基づく慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン2023 |
|---|---|
| 日本高血圧学会 | 高血圧治療ガイドライン2019 |
| 厚生労働省 | 健康日本21(第三次) |
| 日本痛風・尿酸核酸学会 | 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 |
最終更新日:2026年5月24日
執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
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- 医療法人慶真会 横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長/川崎中央クリニック院長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
- 大橋ボクシングジム チーム八重樫東メディカルサポート
- プロレスラー小橋建太プロデュースFORTUNE DREAMのリングドクター
- ABEMAウルフアロンから3カウント取ったら1000万円リングドクター
保有資格・所属学会
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

