6月9日に脳卒中・循環器エキスパートミーティングで座長を務めます
6月9日に開催される「脳卒中・循環器エキスパートミーティング」において、座長を務めさせていただくことになりました。
この会は専門家が集まり、現在の医療現場での課題や知見を共有する非常に重要な場です。私は当日、脳卒中と高血圧に関連するセッションを担当いたします。
日々の診療において、私たちがどのようにして患者さんの健康を守り、重大な病気を防ぐためのアプローチを行っているか、その一端を皆さまにお伝えできればと考え、この記事を執筆いたしました。
脳卒中とはどのような病気か
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の細胞がダメージを受ける病気の総称です。ひとたび発症すると、命に関わるだけでなく、麻痺や言語障害といった深刻な後遺症を残す可能性が考えられます。日本では長年、国民の死亡原因の上位に位置しており、特に高齢化が進む現代社会において、その予防と早期発見は非常に大きな課題となっています。
脳卒中の詳細については「脳卒中」のページを参照してください。
脳卒中は突然起こるイメージが強いかもしれませんが、実際には長い時間をかけて進行した血管の傷みが限界に達して発症することが多いのです。そのため、前兆となる症状を見逃さないこと、そして何よりも日頃の健康管理によって血管を守ることが重要になります。急な体調不良で受診される方がいらっしゃいますが、日々の小さな変化に気づくことが大切だと日々感じています。
脳卒中の主な種類
一口に脳卒中と言っても、その原因や状態によっていくつかの種類に分けられます。大きく分けると、血管が詰まる「虚血性」のものと、血管が破れる「出血性」のものがあります。それぞれの特徴を理解しておくことは、ご自身やご家族の健康を守る第一歩となるでしょう。
- 脳梗塞(のうこうそく)・・脳の血管が細くなったり、血栓が詰まったりして血流が途絶える状態。
- 脳出血(のうちゅうしゅつ)・・脳の中の細い血管が破れて、脳の中で出血が起こる状態。
- くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)・・脳の表面を覆う膜の間にある血管が破れて出血する状態。
脳梗塞の詳細については「脳梗塞」のページを、脳出血については「脳出血」のページを、くも膜下出血については「くも膜下出血」のページをそれぞれ参照してください。
脳卒中によって引き起こされる症状
脳卒中の症状は、脳のどの部分がダメージを受けたかによって異なります。非常に多岐にわたりますが、共通して言えるのは「突然起こる」という点です。これまで普通に過ごしていた方が、一瞬にして自由を奪われるのがこの病気の恐ろしさと言えます。
運動障害としびれ
片方の手足や顔の半分が動かなくなったり、力が入りにくくなったりする麻痺症状は代表的なものです。また、しびれを感じたり、感覚が鈍くなったりすることもあります。箸を急に落としてしまったり歩行時に足を引きずったりする場合は注意が必要です。しびれの詳細については「しびれ」のページを参照してください。
言語障害と意識の混乱
言葉がうまく出ない、相手の言っていることが理解できない、ろれつが回らなくなるといった症状もよく見られます。自分では普通に話しているつもりでも、周囲から見ると支離滅裂な内容になっていることがあります。周囲の方が異変に気づいた際には、早急な医療機関への受診が求められます。
視覚異常とめまい
急に片方の目が見えなくなったり、視野が半分欠けたりすることがあります。また、周囲がぐるぐる回るような激しいめまいや、ふらつきによって真っ直ぐ歩けなくなることも特徴の一つです。めまいの詳細については「めまい外来:めまい/ふらつき」のページを参照してください。
激しい頭痛
特にくも膜下出血の場合、「バットで殴られたような」と表現されるほどの激しい頭痛が突如として現れます。これまでに経験したことがないような強烈な痛みを感じた場合は、一刻を争う事態であると考えられます。頭痛の詳細については「頭痛外来」のページを参照してください。
脳卒中の原因となる生活習慣病
脳卒中を発症させる背景には、長年の生活習慣が深く関わっています。血管をボロボロにし、詰まりやすく、あるいは破れやすくしてしまう要因を私たちは「危険因子」と呼んでいます。これらを適切に管理することが、予防において最も重要となります。
生活習慣病の詳細については「生活習慣病」のページを参照してください。
- 高血圧・・血管に常に強い圧力がかかることで、血管壁が厚くなり柔軟性を失います。
- 糖尿病・・血液中の糖分が多い状態が続くと、血管の内側が傷つき、動脈硬化を促進させます。
- 脂質異常症・・血液中のコレステロールや中性脂肪が増え、血管の壁にプラークが溜まりやすくなります。
- 喫煙・・血管を収縮させ、血流を悪化させるだけでなく、血管そのものにダメージを与えます。
特に高血圧は、脳卒中の最大の原因とされており、私のエキスパートミーティングでのセッションテーマでもあります。血圧をコントロールすることは、脳を守ることに直結するのです。高血圧の詳細については「高血圧」のページを参照してください。
当院における脳卒中の検査と治療方針
川崎中央クリニックでは、脳神経外科としての専門性を活かし、脳卒中の予防から診断、そして回復期のケアまで幅広く対応しています。地域の皆さまが安心して暮らせるよう、高度な検査機器を用いた診断を行っています。
脳神経外科の詳細については「脳神経外科」のページを参照してください。
脳ドックによる早期発見
症状がない段階で脳の状態を詳しく調べるのが脳ドックです。MRI検査やMRA検査を行うことで、自分では気づけない脳血管の狭窄や、未破裂脳動脈瘤を早期に発見することが可能になります。自覚症状がないからこそ定期的なチェックが重要だと考えられます。脳ドックの詳細については「脳ドック」のページを参照してください。
高血圧・生活習慣病の徹底管理
当院では、内科的なアプローチによって生活習慣病の改善に力を入れています。単にお薬を処方するだけでなく、食事指導や運動のアドバイスを含めた包括的な管理を行います。高血圧と向き合うことは、将来の脳卒中リスクを確実に減らすことに繋がります。脳梗塞と高血圧の関連については「脳梗塞と高血圧」のページも併せてご覧ください。
リハビリテーションによる支援
もし脳卒中を発症してしまった後でも、諦める必要はありません。当院では理学療法士などの専門スタッフが、一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションを提供しています。再び自分らしい生活を取り戻すためのサポートを、チーム一丸となって行っています。リハビリテーションの詳細については「リハビリテーション科紹介」のページを参照してください。
脳卒中についてのよくある質問
Q1. 血圧はどれくらいを目標にすれば良いですか?
A1. 一般的には、家庭で測る血圧が「135/85mmHg」未満を目指すのが一つの基準ですが、年齢や持病の有無によって個別の目標値が設定されます。ご自身の適正な目標については、診察時に詳しくご説明させていただきます。
Q2. 脳卒中の前兆として肩こりや頭痛はありますか?
A2. 肩こりが直接的な前兆となることは稀ですが、血圧の上昇によって頭重感が出ることはあります。また、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる、一時的に症状が出てすぐに消える現象は、脳梗塞の強力な前兆ですので、見逃さないようにしてください。
Q3. 家族に脳卒中が多いのですが遺伝しますか?
A3. 特定の遺伝病を除き、脳卒中そのものが遺伝するというよりは、高血圧や糖尿病になりやすい体質や、家族共通の生活習慣(味付けが濃いなど)がリスクを高めていることが多いと考えられます。体質を自覚して早めに対策を立てることが賢明です。
Q4. 若い人でも脳卒中になりますか?
A4. はい、若年性脳梗塞なども存在します。過度なストレス、不規則な睡眠、食生活の乱れなどは年齢を問わず血管に負担をかけます。若いうちから健康意識を持つことは非常に素晴らしい予防策になります。
エキスパートミーティング座長としての想い
今回、脳卒中・循環器エキスパートミーティングで座長を務めるにあたり、私が最も強調したいのは「多職種連携と地域医療の強化」です。一人の医師が診察室でできることには限りがありますが、専門家同士が知恵を出し合い、地域のクリニックと基幹病院がスムーズに連携することで、救える命は確実に増えます。座長という立場で議論を整理し、最新の知見をどのようにして日々の患者さんの治療に還元できるか、真剣に向き合ってまいります。学会で得た知識はすぐに矢向の皆さまの診療に反映させていく予定です。
院長より
私はこれまで、日本とドイツの両国で医師免許を取得し、多くの脳神経外科手術や治療に携わってきました。
その経験の中で痛感しているのは、やはり「予防に勝る治療はない」ということです。
脳卒中という病気は、発症してからでは遅すぎる場合が少なくありません。
脳神経外科専門医、日本脳卒中学会専門医としての知識を総動員し、一人ひとりの不安に寄り添います。
少しでも体に違和感があったり、将来の健康が不安になったりしたときは、どうぞ遠慮なく当院の扉を叩いてください。
最終更新日:2026年5月29日
執筆者情報
日本とドイツの医師免許を持つ脳神経外科医
市村 真也(いちむら しんや)
- 医療法人慶真会 川崎中央クリニック院長/横浜フロント脳神経外科・泌尿器科理事長
- 開成高校卒・慶應義塾大学医学部卒
- 脳神経外科専門医・医学博士
- 月9ドラマ「ヤンドク!」脳外科医療指導
- テレビ出演多数
- 大橋ボクシングジムチーム八重樫メディカルサポート
- プロレスラー小橋建太プロデュースFORTUNE DREAMのリングドクター
- ABEMAウルフアロンから3カウント取ったら1000万円リングドクター
【保有資格・所属学会】
- 日本脳神経外科学会専門医
- 日本脳卒中学会専門医
- 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脊髄外科学会認定医
- 日本がん治療認定医
- 日本神経内視鏡学会技術認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- ドイツ医師資格
- ドイツ脳神経外科学会正会員
- ヨーロッパ脳神経外科学会正会員

